支部長の部屋

「戦いに勝つ」という事

2015.03.20

もうずいぶんと長いこと格闘技の世界に身を置いて来ましたが、“強い弱い”とかではなく“勝負に勝つ”とはどういう事なのか?その極意は何処にあるのか?年齢のせいか最近そんなことばかりを考える様になりました。

格闘技の世界ではとうに現役を引退して指導者となり、私生活では20年ほど前から小さいながらも社員を抱え事業を行い、家庭では人の親として生きている。
いずれの立場においても常に何かしらの戦いが有り、葛藤し勝負をしながら生きているわけですが、全てにおいて百戦百勝などと言うわけにもいかず、勝ったり負けたりの現実があります。

ただ幸せな事に、こうやって毎日を過ごさせていただけるのは、トータルとして「生きる」という勝負に勝たせてもらっているのかな?と考えたりするのです。

当然ですが、逆にいつかはその勝負に負けてしまう日も来るのではないか?
そんな不安から夜中に飛び起きることだって有ります。意気地のない人間です。(笑)

普段の生活に勝った負けたはないだろう…きっと皆さんはそうお考えになるでしょう。
何なんでしょうか、自分の生きてきた環境なのでしょうか?常に勝ち負けが頭の中から離れようとしないのです。
きっと私は知らず知らずのうちに自分の存在意義を勝ち負けで自分自身に問いかけているのかもしれませんね。

話は変わって、キックボクシングの興行がある度に私の道場生や本部の選手達、他の会に所属する選手達の生き様にじかに触れる機会があります。その度に「戦いに勝つ」ということが如何にしんどい事か、如何に情け容赦ないものかを肌で感じます。
別な表現をすると、完璧ほどもろく崩れる物はないし期待ほど裏切られるものはないという事になるでしょうか。

何がいけないのか?何が間違っていたのか?いつも結果論でしか語る事が出来ない。
勝負の神はいつだって冷酷です。但し、それを乗り越えて勝てる者がいるのですから、やはり強い者は居るという事になるんでしょうね。

3分3ラウンドか5ラウンドの僅か数分の戦いの為に、気の遠くなる時間と苦しみに耐えてリングに上がる選手達。
結末はあっけなく非情です。

「戦いに勝つ」極意とはなんなんだ?
最近わかってきたことが少しだけ有ります。
それはモチベーションを高めるとか、栄養に配慮するとか、自分に合った練習メニューを作ってこなすとか、そんな今風な事ではなく“何のために・誰のために”戦うのか?この目的をはっきり持っている人間が強いという事です。
“自分自身の為”になんて思う人間はここ一番に弱い。必ず甘えが出て逃げます。

戦後70年、54歳になる私には当然のことながら戦争に行かれた兵士の方々のお気持ちを察することなどできません。
でも分かる事が有るとすれば、それは愛する家族の為、仲間の為、祖国のために戦ったであろうという事。 だからこそ特攻が出来た。世界から神風と呼ばれ怖れられた。

人間は神ではないですから、それでも負けることになりますが、これが自分のためにだけ戦う人間たちの集まりだったらどうでしょうか?
すぐに敗走して戦争にならなかったはずです。

リングの上の選手たちを見ている時、会社で社員の働きぶりを見ている時、ふとそんなことを考えてしまうのです。

難しいのは彼らにその事を押し付けるものではないという事です。
自分のことを本当に大切に思ってくれる人達に感謝し、心の底から恩返しをするために立ち上がる 。
そういう心のセンスを持ち合わせた人間は実際少ないものですが、小さい頃の家庭環境なのか?生まれ持った才能なのか?はたまた後天的に養われるものなのか?幸運にもそれを持った逸材に出合えることが稀にあります。

そうなるとこちらも”こいつの為なら自分を犠牲にしてでも何とかしてやろう”…そんなふうに考えてしまったりするのです。(たまには本性を見抜けずに裏切られることも有ってガッカリさせられるのですが、私の師匠の伊原信一はそんな時でも自分が悪いからだと考えるそうです。)

とは言え私などが選手や社員にしてやれることは微々たることしかありません。
褒めてやる事、叱ってやる事、話を聞いてやる事、後は正当に評価してやる事。

自分自身を含め人は勘違いをする生き物。
いかにそれを正してくれる人達が周りに大勢いるか?また、いかに素直にその声に耳を傾けることが出来るか?これも「戦いに勝つ」極意の一つなんだと思います。

時としてリングの上の戦いは、選手本人よりセコンドで見ている人間の方がどうやったら勝てるのかが良く見えるものです。
仕事も同じで、一生懸命やっている本人よりそれを傍観している人間の方が良い知恵に気づきます。但しこれにも条件が有ります。
それは見る側の人間もその業務に対し経験・知識・努力を積み重ねて来た人間であるという事。

一生懸命努力をしている人間にこそ勝つ喜びを掴んでほしい、いつもそう心に念ずるのですが、なかなかどうして難しいものです。

ただ言える事、それは努力の積み重ねでしか一流になれないという事。
センスだけでは絶対になれないのが一流なんですね。
偉そうに言っている自分にはそれが出来なかったので、次の世代の連中にはぜひとも一人でも多くそうなって欲しいものです。

「戦いに勝つ」って大変です。
なにせ生きている限り死ぬまで続くんですから・・・。
私自身を含め、皆様の御健闘を祈ります。
。                                                                                                                       支部長

日本ミドル級王者 喜多村誠選手

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日本ミドル級4位 本田聖典選手

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日本フェザー級 本間博行選手

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日本ライト級 渡邉涼介選手

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日本ライト級 古川真司選手

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